皆さんこんにちは!
浅草橋駅前鍼灸接骨院です!
本日は大腿骨頭すべり症についてお伝えします!
大腿骨頭すべり症(だいたいこっとうすべりしょう)は、主に思春期の子どもに発症する股関節の病気で、大腿骨(太ももの骨)の骨頭(こっとう:股関節を形成する球状の部分)が、骨端線(成長軟骨)の部分でずれてしまう病気です。英語では「Slipped Capital Femoral Epiphysis(SCFE)」と呼ばれます。
【原因】
この病気は、思春期の急激な成長により骨端線が一時的に弱くなることと、体重の増加が組み合わさることで発症しやすくなります。肥満の子どもや、ホルモン異常(例:甲状腺機能低下症、成長ホルモン異常など)を持つ子に多く見られます。また、男子にやや多く、12〜15歳頃の発症が多いとされています。
【症状】
初期には膝の痛みや太ももの痛みが現れることが多く、実際の病変が股関節にあるとは気づかれにくいことがあります。進行すると、以下のような症状が現れます:
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股関節や膝の痛み(しばしば片側)
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歩き方が不自然になる(跛行)
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股関節の動きが悪くなる(特に内旋)
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両側に発症することもあり(約20〜40%)、その場合はより注意が必要です
【診断】
診断にはX線撮影(レントゲン)が有効です。骨頭が後方・下方に滑っている像が見られます。早期診断が非常に重要で、疑わしい場合はすぐに整形外科を受診すべきです。
【治療】
治療の原則は、骨頭のさらなるすべりを防ぐことです。
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手術治療が基本で、最も一般的なのは「内固定術」と呼ばれる方法です。これは骨頭と大腿骨の頸部を金属製のピンやスクリューで固定する手術です。
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症状が軽度の場合でも、放置すると将来変形性股関節症につながる可能性があるため、早期に治療を行うことが勧められます。
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両側発症のリスクが高い場合、健側にも予防的に固定を行うことがあります。
【予後とリハビリ】
早期に治療を受ければ、比較的良好な予後が得られますが、すでに重度のすべりが起きていた場合や診断が遅れた場合は、以下のような後遺症が残ることがあります:
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股関節の可動域制限
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変形性股関節症
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足の長さの差
手術後は、段階的に体重をかけながらリハビリを進めていきます。スポーツ復帰には数ヶ月以上かかることが一般的です。
【まとめ】
大腿骨頭すべり症は、成長期の子どもに特有の整形外科的疾患で、早期発見と早期治療がカギとなります。股関節の痛みだけでなく、膝の痛みや歩き方の異常がある場合も、この病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。