こんにちは!浅草橋駅前鍼灸接骨院です!
本日は胸郭出口症候群についてお話いたします。
胸郭出口症候群とは、首から腕にかけて通る神経や血管が圧迫されることで起こる障害の総称です。胸郭出口とは、首の付け根から鎖骨や肋骨、肩の周辺にかけての狭い通路を指し、この部分を「腕神経叢(しんけいの束)」や「鎖骨下動脈・静脈」が通っています。ここで圧迫が生じると、肩や腕にしびれや痛み、血行不良などの症状が現れます。
原因として最も多いのは、姿勢不良です。猫背やなで肩、長時間のデスクワークやスマートフォン操作によって首や肩の筋肉が緊張し、神経や血管を圧迫してしまいます。特に斜角筋や小胸筋といった筋肉の緊張が関与することが多いです。また、まれに頸肋と呼ばれる余分な肋骨がある人や、鎖骨や肋骨の形状によって圧迫が起こる人もいます。スポーツや肉体労働で腕を酷使することも発症のリスクになります。
症状は多岐にわたり、肩から腕、手にかけてのしびれ・痛みが最も代表的です。物を持つと手がだるくなったり、握力が低下して物を落としやすくなる人もいます。また、血管が圧迫される場合には、手の冷えや蒼白、場合によっては腫れや浮腫が出ることもあります。腕を上げたときにしびれやだるさが強くなるのも特徴のひとつです。
胸郭出口症候群にはいくつかのタイプがあります。①首の斜角筋によって圧迫される「斜角筋症候群」、②鎖骨と第一肋骨の間で圧迫される「肋鎖症候群」、③小胸筋の緊張による「小胸筋症候群」などです。これらをまとめて胸郭出口症候群と呼びます。
治療はまず保存療法が基本です。姿勢改善が最も重要で、猫背やなで肩を直すことが回復につながります。具体的には、首や肩、胸のストレッチや肩甲骨を動かす運動が有効です。また、長時間の同じ姿勢を避け、デスクワークではモニターや椅子の高さを調整することも予防に役立ちます。薬物療法としては痛み止めや筋弛緩薬が使われることがあります。症状が強い場合にはリュック型装具で肩を持ち上げる治療もあります。まれに保存療法で改善しない場合には、圧迫部位を外科的に処置する手術が行われます。
胸郭出口症候群は命に関わる病気ではありませんが、放置すると慢性的なしびれや運動制限につながり、生活の質を大きく低下させます。日常生活では「肩をすくめない」「長時間同じ姿勢を避ける」「重い荷物を片方で持たない」といった意識が重要です。