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浅草橋駅前鍼灸接骨院です!
腸脛靭帯炎は、主にランニングや自転車競技などの反復運動で発症しやすい膝の外側の炎症性障害で、「ランナー膝」の一種として知られています。腸脛靭帯は、大腿筋膜張筋と大臀筋からつながる強靭な線維組織で、大腿骨外側を通って膝の外側下部にある脛骨のガーディー結節に付着します。膝の屈伸に伴い、この靭帯が大腿骨外顆という骨の出っ張りの上を前後に動く際、繰り返し摩擦や圧迫が生じることで炎症が発生します。
症状は膝外側の鋭い痛みや違和感で、特に膝を20〜30度程度曲げた状態で強く出るのが特徴です。初期は走行後や長時間歩行後に軽い痛みが出る程度ですが、悪化するとランニング中や階段昇降、さらには平地歩行でも痛みを感じるようになります。局所の腫れや熱感を伴うこともあります。
原因としては、ランニングやサイクリングによるオーバーユース、不適切なフォーム、硬い路面での練習、下肢のアライメント不良(O脚、回内足など)、股関節や膝周囲の柔軟性低下や筋力不足が挙げられます。特に大臀筋や中臀筋の機能低下は膝の安定性を損ない、腸脛靭帯への負担を増やします。
治療はまず運動量の制限や休養が基本です。炎症期にはアイシングや消炎鎮痛剤、電気療法などで炎症を抑えます。並行して、大腿外側や臀部のストレッチ、フォームローラーによる筋膜リリース、大臀筋・中臀筋・大腿四頭筋の筋力強化を行い、再発予防を図ります。フォームの改善やシューズの見直し、インソールの使用も有効です。
腸脛靭帯炎は、軽症のうちに適切なケアを行えば比較的早期に改善しますが、無理を続けると慢性化し、長期的に運動制限が必要になることもあります。特にランナーや自転車競技者は、予防的なストレッチや筋力トレーニングを日常的に取り入れ、腸脛靭帯への過剰な負担を避けることが重要です。