こんにちは!浅草橋駅前鍼灸接骨院です!
本日は、肩関節周囲炎の疾患についてお伝えしたいと思います!
肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)は、肩関節の周囲組織に炎症が生じることで発症する疾患で、痛みと可動域制限が主な症状です。特徴的なのは、症状の経過が一定のパターンをたどることです。一般的に「炎症期」「拘縮期」「回復期」の3つの段階に分けられ、それぞれの時期で症状の現れ方が異なります。
1. 炎症期の症状
発症初期は「炎症期」と呼ばれ、肩関節に強い痛みが出現します。特に特徴的なのは 安静時痛 と 夜間痛 です。日中の動作時にも痛みはありますが、就寝中に痛みが強まり、寝返りで目が覚めることが多いのが特徴です。そのため睡眠不足に陥り、全身の倦怠感や集中力低下を訴える患者も少なくありません。
痛みの性質は鋭い痛みからズキズキとした持続痛までさまざまで、腕を挙げたり後ろに回したりといった動作で増強します。炎症が強いために肩を動かさなくても疼痛を感じるのがこの時期の大きな特徴です。患者は自然と肩の動きを制限し、患側をかばうような姿勢をとります。その結果、肩周囲の筋肉はこわばり、血流が悪化してさらなる痛みの悪循環を招きやすくなります。
2. 拘縮期の症状
炎症が落ち着いてくると、次に現れるのが「拘縮期」です。この段階では、夜間の強い痛みは軽減する一方で、肩関節の動きが硬くなり、可動域制限 が顕著になります。特に制限されやすいのは以下の動作です。
- 外旋制限:腕を外側に回す動作が困難になります。例として、髪を結ぶ、後頭部に手を当てる動作ができなくなります。
- 挙上制限:腕を真上に挙げることが難しくなり、洗濯物を干す、棚の上の物を取るなどの日常動作に支障をきたします。
- 内旋制限:背中に手を回す動作ができなくなります。特に下着の着脱や、ポケットに手を入れるといった動作が困難になります。
このような「結髪動作(頭の後ろで髪を整える動作)」や「結帯動作(腰の後ろで帯を結ぶ動作)」ができないことが典型的な症状として知られています。患者自身は「肩が固まった」「関節が錆びついたように動かない」と表現することもあります。
拘縮期では痛みは軽減しているものの、動かそうとすると突っ張るような痛みや鈍痛を感じます。関節包が硬く縮んでいるため、無理に動かすと痛みが増強するのも特徴です。日常生活動作が著しく制限され、生活の質の低下を強く自覚する時期でもあります。
3. 回復期の症状
発症から数か月~1年ほど経過すると「回復期」に移行します。この時期には炎症が沈静化し、次第に関節の動きが改善していきます。痛みも徐々に軽快し、夜間痛や安静時痛は消失していきます。しかし回復のスピードは人によって異なり、数か月でほぼ正常な可動域を取り戻す方もいれば、1年以上かけてゆっくり改善する方もいます。
回復期でも完全に症状が消失するとは限らず、肩の動きがわずかに制限されたまま残存するケースもあります。特にリハビリを怠ると拘縮が残存しやすく、後遺症として「肩の硬さ」や「可動域の左右差」を訴えることがあります。